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【2023年4月号】挑戦のDNA vol.25 マーケットイン志向で事業を再編―5代目稲畑武雄社長時代

2023/03/31

広報部

【2023年4月号】挑戦のDNA vol.25 マーケットイン志向で事業を再編―5代目稲畑武雄社長時代

 1998年(平成10年)6月、稲畑勝雄社長が会長に、稲畑武雄副社長が社長にそれぞれ就任した。我が国は、バブル経済崩壊ののち十数年にわたって続いた不況のまっただ中にあり、当社もまた厳しい経営環境にさらされていた。

 その打開策として翌1999年4月、武雄新社長は「従来の商品別の本部編成から、情報電子・住環境の2つの分野についてはマーケット別の新しい編成を取り入れ、IT&エレクトロニクス事業などの成長分野へのシフトを推進する体制をとった。またPR(パブリック・リレーションズ)の視点から、記者懇談会を開催。1999年12月には記者会見で “経営戦略5カ年計画”を発表、経営の現状や方針を明らかにした。経営改革を円滑に進めるために、22回におよぶ社員との懇談会を開催、メールマガジン“TakeoOnline”を通して当社の現状や方針を説明した。そうした社内コミュニケーションを図った上で、全員参加の経営を目指した。

 2003年4月には海外4リージョン+日本(1リージョン)、各地域に適した戦略を推し進めることで、海外展開の強化を図った。さらに経営の効率化・意思決定の迅速化のため、会社全体の経営戦略を取締役が担当、各業務の執行を執行役員が担当する執行役員制度を導入した。同7月には当社員がやりがいと誇りがもてるように、性別・国籍・入社時期・年齢・学歴などに左右されない職場環境を目指す成果重視の人事制度に刷新、人材の活性化を図った。

 この時代には、パソコンの高性能・低価格化、それに加えて放送・通信方式や情報処理のデジタル化が加速、インターネット接続サービスが普及するなど目覚ましいものがあった。そこでIT&エレクトロニクス事業に積極的に取り組むほか、健康食品を含む医薬・医療関連ビジネスなど、新規ビジネスを開拓していった。海外事業では、新たな販路開拓とともに、新規事業として工場買収や顧客の海外進出に連動した拠点の設置など、グローバル化の波に乗った事業展開も図った。

 営業以外の社内システムや考え方についても、IKグループ全体の資金調達や運用の一括管理、与信管理の強化など、時代に適応したものを次から次へと導入していった。また各ISO認証取得に取り組む中、社内基幹業務の改革も同時に推し進めていった。

 このように武雄社長は、古い殻を打ち破って現況に適応できる体制を次から次へと構築されていったが、病気のため、「社員全員が誇れる力強く特色のある洗練された一流の商社としてIKが益々発展」という希(こいねが)いも志半ばに、2005年12月1日帰天された。

“伝統は「守る」ものではなく「創り続ける」もの”とラストメッセージを遺されて。

 

  • 経営戦略5カ年計画を発表する武雄社長

    経営戦略5カ年計画を発表する武雄社長

  • 武雄社長のラストメッセージをまとめた小冊子
「イナバタ」グループ全員の皆さんへ

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